期日 2008年9月27日(土)午前10時〜午後5時
場所 東京都文京区・文京区民センター3C会議室 ここテーマ マルクスと東方社会 (馬克思与東方社会)
主催 日中社会主義フォーラム実行委員会
協賛 社会主義理論学会
資料代 1000円(報告要旨ほか)
通訳付き      
プログラム(08.9.24修正)    報告要旨日本語訳(pdf) 報告要旨中文原文(pdf)  
*以下のプログラムは通訳時間を含みます。
午前の部
司会
 紅林進(ジャーナリスト)
開会あいさつ 10:00-10:10 
 瀬戸宏(摂南大学)*本ページ下部第一報告   10:10-10:40 
 兪良早(南京師範大学)マルクス主義東方学構築について
 (関于構建馬克思主義東方学)
第二報告   10:40-11:10 
 宋倹(武漢大学)マルクス主義中国化の思想背景
 (馬克思主義中国化的思想背景)
第三報告   11:10-11:40 
 葉啓績(中山大学)マルクスの“中国の社会主義”思考について
 (関于馬克思的“中国的社会主義”思考)
コメント 11:40-11:50
 岡本磐男(東洋大学名誉教授)
討論   11:50-12:10
昼食休憩 12:10-13:10
午後の部
司会
 山根献(『葦牙』編集者)
第四報告    13:10-13:40 
 李輝(中山大学)マルクス人間学思想の東方社会への影響
 (馬克思人学思想対東方社会的影響)第五報告    13:40-14:10 
 鍾明華(中山大学)中国特色社会主義の価値定位
 (中国特色社会主義的価値定位)
第六報告     14:10-14:40
 王永貴(南京師範大学)
 グローバル化の視角からの中国特色社会主義の道と理論体系の読解
 (从全球化視角読解中国特色社会主義道路和理論体系)
第七報告    14:40-15:10 
 SHE双好(武漢大学) マルクス主義と中国人の人生発展
 (馬克思主義与中国人的人生発展)
休憩  15:10-15:20
      
コメント   15:20-15:30
 田上孝一(立正大学)
討論     15:30-16:00
総括討論提起 16:00-16:10
 村岡到(『もうひとつの世界へ』編集長)
総括討論    16:10-16:50
閉会あいさつ  16:50-17:00 兪良早
歓迎宴会    17:30-19:30
*会費5000円(中国側報告者招待分を含む)
通訳
王戈(お茶の水女子大学大学院生)
郭一娜(埼玉大学大学院生)
開会あいさつ
日中社会主義フォーラム実行委員会責任者 瀬戸宏

 今回の日中社会主義フォーラムは、南京師範大学兪良早教授の提案により実現しました。
 近年、日本と中国の学術交流は増大していますが、社会主義を主題とする交流はほとんどありません。これは、もちろん1989−91年ソ連東欧社会主義崩壊以後の日本の学術思想状況が大きな原因です。しかし中国が現在も社会主義国である以上、この面での交流の欠落はやはり一面的で残念なことです。そのため、日本側は兪良早教授の提案を受け入れ、社会主義理論学会が中心となって実行委員会を作り実現にあたりました。
 社会主義理論学会は1988年に創立され20年の歴史を持つ学術団体です。会員は、大学教員だけでなく、ジャーナリスト、市民運動活動家などさまざまな立場の人がおり、日本の社会主義研究の各種の潮流、傾向を含んでいます。しかし学会総体としては特定の政治傾向はなく、さまざまな見解の持ち主が自由に学術交流できる場となっています。年に一回の研究集会と数回の研究会を行ない、数年に一回論文集を単行本として刊行しています。
 日本は資本主義国家であり、その中で社会主義研究を行っていくことは、困難さが伴います。今日の日本の大学では、マルクス主義、社会主義を直接研究する部門はほとんどなくなり、研究者は他の部門に勤務しながら“業余”として社会主義研究をおこなうのが一般的になっています。経済的にも恵まれず、社会主義理論学会は純民間の団体であり、いかなる政府機関・企業の助成もなく、主に会員の会費に依拠して活動しています。しかし、私たちは、社会主義は人類の重要な知的遺産であり、その意義は今日においても失われていないという立場から、困難な中で研究を続けています。
 社会主義理論学会は、中国との社会主義研究に関する学術交流には一定の経験を有しています。2001年、当時の中国社会科学院マルクスレーニン主義毛沢東思想研究所革斤輝明教授・李崇富教授、2008年マルクス主義研究院呉恩遠教授と研究交流をおこないました。2002年には、北京で開催された国際社会主義シンポジウムに、何人かの会員が参加しました。中国の大学に招かれ講義をした会員もいます。
 そのような交流を通じて、私たちは日中社会主義研究の共通点と同時に相違点をも知ることができました。日本は資本主義国ですから、日本の社会主義研究は日本の現状への疑問から出発し、現状に対する批判的な姿勢を持つことが主になっています。これに対して、社会主義国である中国の場合は、皆さんの報告要旨をみても、現在の体制に対する肯定的な姿勢が明確に現れています。
 この姿勢の相違は、国情の違いに基づくものであり、私はここでその是非を判定するつもりはありません。日中両国は、経済・物質面での緊密化にかかわらず、学術思想面での相互理解はまだ大きく不足しています。社会主義研究も、その例外ではありません。それから言えば、「マルクスと東方社会」というフォーラムのテーマは時宜にかなったものです。今回のフォーラムが社会主義研究の日中相互理解をより深めるものになることを祈って、私の開会あいさつといたします。
 

 
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日中社会主義フォーラム   2008.9.27 東京
(中国語表題:日中社会主義論壇 2008.9.27東京)