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菅内閣の第25期日本学術会議の一部会員任命拒否に対する抗議声明
 
                                                     社会主義理論学会
 
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 日本学術会議会員は日本学術会議法で、日本学術会議が推薦し内閣総理大臣が任命すると規定されています。しかし菅義偉内閣総理大臣は、第24期日本学術会議が推薦した第25期会員候補者のうち6名を理由開示なく任命拒否しました。第24期日本学術会議の推薦手続きに瑕疵がないことは報道などからも明らかです。

 報道では、任命拒否された会員候補者は全員が人文社会科学専攻で、菅内閣がその施策を継承するという安倍晋三前内閣に批判的な言動をおこなった研究者とされています。事実とすれば、憲法第23条に規定された人文社会科学研究を含む学問の自由を否定する重大行為です。

 この問題がうやむやにされれば、形式上は政府に任命権がある国立大学学長なども、正式な手続きで選出されても、政府の意に沿わない人物なら任命拒否できるという先例を開くことにつながるでしょう。

 第25期日本学術会議は10月2日の総会で、任命しなかった理由の開示と、6人を改めて任命するよう求める要望書を出すことを決めた、と伝えられています。社会主義理論学会は人文社会科学を主に研究する学術団体として、菅内閣の今回の一部会員任命拒否に厳重に抗議し、その理由開示を求めると共に、6人の任命を強く要求するものです。

                                                         2020年10月3日

社会主義理論学会共同代表
瀬戸宏(摂南大学名誉教授)
西川伸一(明治大学政治経済学部教授、日本学術会議第25期連携会員)