2.投稿原稿は、1本2万字(四百字詰原稿用紙50枚、図表等含む)を上限とする。図表を含む場合は、A4用紙に40字×30行で印刷して17枚以内とする。注は脚注ではなく文末注とする。
3.投稿者は、原稿電子ファイル(word)および800字程度の内容要旨を、学会事務局に電子メールで送付する。
4.投稿原稿は、学会委員会が指名した編集委員会が掲載可否、書き直し要求有無を決定する。
5.投稿論文は「査読」という形式をとらないが、投稿者が希望した場合は学術誌としての査読を行う。
6.掲載決定の場合、著者校正は再校までとする。
7.執筆者から掲載料は取らず、稿料もださない。執筆者には掲載誌を5部と論文PDFを贈呈する。
8.投稿規定の改定は総会の議決による。
●創刊のことば
瀬戸宏、西川伸一
社会主義理論学会は1988
年に創立され、同年10 月に第1 回研究会が行われました。当時はソ連でのペレストロイカにまだ勢いがあり、中国も問
題は含みつつも改革開放政策が着実に進行しており、社会主義が再び活力を取り戻すのでは、という期待も社会には存在していました。社会主義理
論学会も、このような時代の流れの中で生まれました。
しかし誕生の翌年に起きた中国での六四天安門事件や東欧社会主義の体制転換、そして1991
年のソ連崩壊により、日本では社会主義は長く否定的
なイメージをもたれることになりました。ソ連崩壊後、それまで社会主義を団体名に含んでいた団体のほとんどは、社会主義を名称からはずしてし
まい、マルクスなどの著作は多くが絶版品切れとなりました。社会主義理論学会は解散せず活動を続け、名称も堅持しましたが、研究会なども数人
しか参加者がいない、という状態が長く続きました。
この状態が変わり始めたのは、21
世紀10 年代に入った頃からです。リーマンショックなどを経て、資本主義社会の矛盾がより深まり、ポスト資本
主義である社会主義の意義が改めて問い直されるようになったからでしょう。現在では、社会主義理論学会の研究会、研究集会は数十人の参加者が
あるのが普通になっています。『資本論』や社会主義を扱った書籍がベストセラーになる現象も起きています。
社会主義理論学会はこれまで会員の研究成果発表の場として数年に1
回単行本の論文集を刊行しており、これまでに5 冊刊行しました。今年も準
備中でしたが、コロナ禍による出版不況などで、論文集刊行の見通しが立たなくなりました。
社会主義理論学会では研究活動を停滞させないため、論文集に代わって年刊の学会機関学術誌『社会主義理論研究』を発行することを確認し、投
稿規程などの制定準備を進め、2021
年4 月25 日研究集会に先立って開かれた学会総会で誌名、投稿規程などを討議決定しました。その後全会員から論文を募集し、4 編の投稿を得ました。『社会主義理論研究』創刊号は、こうして読者のお手元に届こうとしています。
社会主義理論学会は「自由で民主主義的な社会主義を共に志向する人々が、それぞれの立場の違いを認めあいながらも、たがいに学び、交流し、
協同して新たな創造的研究に取り組むこと」(入会呼びかけ)を目的としています。会員には、大学所属研究者だけでなく、会社員、公務員、ジャーナリスト、退職者、学生などさまざまな人がいます。『社会主義理論研究』はまだ小さな刊行物ですが、日本での社会主義理論研究にささやかながらでも貢献していきたいと思います。本号を手に取った皆様が、社会主義理論学会の活動に注目し、参加し、原稿を寄せてくださることを願っております。
2021
年7 月26日